第9回:カビが生えてしまったら?安全で効果的な除去方法4選
カビを発見したら、焦らず「乾燥 → 除去 → 殺菌」の順で対応します。
**CDC(米国疾病予防管理センター)**のガイドラインでも、物理除去と安全な殺菌処理の組み合わせが推奨されています。
■実証された除去法4選
- 70%エタノール:一般家庭で安全かつ有効。金属・プラスチックにも使用可能。
- 過酸化水素水(3%):浴室・壁紙・ゴムパッキンの漂白・除菌に適す。
- 中性洗剤+ブラシ洗浄:軽度のカビに有効で、素材を傷めにくい。
- 天然ミネラル・フミン酸配合液:抗菌皮膜を形成し再発を防止。
除去後は、しっかり乾燥させてから換気を行うことで、残留胞子の再発芽を防げます
ところで重曹+クエン酢スプレーなど酸とアルカリの化学反応で有機汚れを分解というのが良くあります「重曹+酢で汚れを分解する」という表現は一般的ですが、科学的には “化学反応で汚れを分解している” わけではありません。
🧪【詳しい化学的メカニズム】
- 重曹(炭酸水素ナトリウム, NaHCO₃) は弱アルカリ性で、
油汚れや皮脂など酸性の汚れを中和・乳化して落としやすくする作用があります。 - 酢(酢酸, CH₃COOH) は弱酸性で、
水アカ(アルカリ性の炭酸カルシウム汚れなど)を**溶かす(中和する)**効果があります。 - この2つを混ぜると、
→ 化学反応:
NaHCO₃ + CH₃COOH → CH₃COONa + H₂O + CO₂↑
つまり、中和反応が起こり、泡(二酸化炭素)が発生します。
この泡は「汚れを浮かせる助け」にはなりますが、
化学的に汚れを分解するわけではありません。
✅【実際の効果】
- 酸性とアルカリ性が中和してほぼ中性になるため、洗浄力はむしろ低下します。
- ただし、泡の発泡作用で「軽い汚れを浮かせて剥がす」効果は一定程度あります。
- そのため、排水口・キッチン・トイレの軽度な汚れ落としには有効とされます。
この点については、
- 花王株式会社(公式FAQ)
- 東京都消費生活総合センター(実験報告)
でも「重曹と酢の混合による強い洗浄力は期待できない」と明記されています。
🧴【正しい使い方の例】
- 油汚れ → 重曹単体(アルカリ)で清掃
- 水アカや石けんカス → 酢単体(酸性)で清掃
- 泡の発泡作用を使いたい場合 → 一時的な物理的はく離補助として使用
