14. 介護施設における秋冬の防カビ対策 ― 健康を守るための“空間衛生管理”
介護施設では、入居者の健康を第一に考える必要があります。
秋から冬にかけては、加湿器・暖房使用による湿度上昇、布団・衣類の乾燥不足、共有浴室やトイレの結露が重なり、施設内でカビ菌・細菌・臭気成分が増加する時期です。
高齢者は免疫力が低下しているため、カビや細菌の吸入が健康被害(アレルギー性気管支炎・皮膚炎など)に直結するリスクがあります。したがって、一般住宅よりも科学的・衛生的根拠に基づいた対策が必要です。
🔹1. 定期的な「湿度マップ」管理
各居室・共有スペースの湿度を週1回測定し、60%を超える箇所をリスト化。
カビ発生リスクを「可視化」することで、清掃と除湿の優先順位を明確にできます。
(例:東京都健康安全研究センター「室内環境管理指針」参照)
🔹2. 床・壁の天然素材コーティング
塩素剤ではなく、フミン酸や珪藻土系コーティング剤を使うことで、低刺激かつ長期的な防カビ・防臭効果を維持可能。
特にフミン酸は、菌体膜の構造に作用して微生物増殖を抑える効果が確認されています(※農研機構 2022年報告)。
🔹3. 寝具・カーテン類の低湿度保管
寝具・衣類に湿気がこもりやすい秋冬は、週1回の天日干し+フミン酸スプレー散布が有効です。
また、収納庫には竹炭や珪藻土の除湿材を設置し、再利用可能な自然素材で持続的に湿気をコントロールします。
🔹4. 換気・空調システムの最適化
厚生労働省の「高齢者施設の感染症予防対策指針」では、1時間あたり2回以上の空気入れ替えを推奨しています。
秋冬の暖房使用時でも、窓換気とサーキュレーターを組み合わせることで、**湿度を下げながらも室温を保つ“効率的換気”**が可能です。
🔹5. 天然素材による臭気抑制
介護現場特有の尿臭・体臭・消毒臭には、フミン酸+L-アスコルビン酸(ビタミンC)系消臭液が有効です。化学反応により臭気成分を分解し、同時に菌の代謝活動を抑制します。
人工香料で“ごまかす”のではなく、臭いの発生源を科学的に無害化することが、利用者にもスタッフにも安心な空間を生みます。
🧭 まとめ
秋は、「カビが再び動き出す季節」。
ホテルでは「快適性とブランド維持」、介護施設では「健康と衛生の両立」が鍵になります。
フミン酸などの天然素材を中心とした予防的管理を導入することで、冬を迎える前にカビ・臭気リスクを大幅に減らすことが可能です。
