カビの正体は「胞子」だった!?目に見えない脅威の仕組み
カビは、私たちの生活空間にごく自然に存在しています。その正体のひとつが「胞子」です。胞子とは、カビが繁殖するために放出する微細な種子のようなもので、空気中や壁、衣類、食べ物などに付着して、条件が整うと一気に増殖を始めます。
1. カビ胞子はどこにでも存在する
国立感染症研究所によると、空気中には常にカビ胞子が浮遊しており(国立感染症研究所, 2019)、屋内外を問わず呼吸とともに体内に取り込まれることが知られています。特に湿気の多い浴室やキッチン、換気が不十分な押し入れなどは胞子が定着しやすい場所です。
2. 胞子は目に見えない脅威
胞子の大きさは数マイクロメートル程度(森田・田辺, 2020, 『真菌学雑誌』)と非常に小さく、肉眼では確認できません。つまり、カビが「見える」状態になった時には、すでに無数の胞子が環境中に拡散している可能性が高いのです。
3. 発芽と増殖の仕組み
胞子は温度・湿度・栄養分という条件が揃うと「発芽」し、糸状の菌糸を伸ばして成長します。その結果、壁や天井に黒カビの斑点が見えるようになるのです。農研機構の研究でも、カビの成長には湿度80%以上、温度20〜30℃が最も適していることが確認されています(農研機構, 2018)。
4. 健康へのリスク
胞子は単に壁や食材を汚すだけでなく、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こす可能性があります。WHO(世界保健機関, 2009)の報告でも、室内のカビ胞子汚染は呼吸器疾患のリスク因子として指摘されています。
✅ まとめ
カビは「胞子」という微細な単位で日常的に私たちの身近に存在しており、条件が揃うと一気に増殖します。見えない段階からすでに環境に拡散しているため、予防的な除湿・換気・清掃が何より重要です。